雑多な部屋に鉄製の無機質なベットが並んでいる。自分のものだけ窓際で風が吹いていてカーテンが揺れている場所にそのベットはある。

 

ベットが並ぶ部屋から出ると医者が血色の悪い顔でこちらを見て微笑んでいる様子。

医者に出かけることを告げて一人でショッピングモールへ出かけた。ショッピングモールの中を歩く。前から歩いてくるのは多数人で騒いでいる連中。後ろからも二人組の女子たちが楽しそうに店の中の物を指差しながら歩いてくる。突然虚しさを感じる。ショッピングモールから出た。

 

バス停でバスを待っていると後ろからジロジロと人に見られている気がして気が気でない。目の前にジュースやジェラートを販売しているコテージがあった。マンゴーやココナッツが写っている看板が目に入る。とりあえず一人で入れるかどうか伺う。バス停で長い間そのコテージを見つめていると雨が降り出した。店の人間が急いでデッキに置いている物を中へ下げていく。自分はただバス停で雨に流されている。

 

マンションに戻ると未だ医者は診察を行っていた。好奇心で診察を待合場から長椅子にかけて見つめてみる。突然泣き喚きながら部屋に女性が入ってきた。その女性は私の隣に座る。

「大丈夫ですか?」私が尋ねると「分からない、何も分からない。」と言う。

女性が私の肩にもたれかかってくる。

「気にしないでください。大丈夫ですよ。生きてさえいればいいんです。」

突拍子もない言葉が自分から出たことに驚く。何故かとても哀しい気分になっている。泣きそうになりながら自分の気持ちを抑える。

女性を介抱しながら診察室へ向かった。